サマリー
◆モディ政権発足から半年を経た現在も、官民問わず「インドは変わる」、「インド経済は良くなる」という楽観論は衰えていない。これは政府による経済改革を後押しし、自己実現的な景気の拡大につながりもする。ただし一方、中央と地方とでこうした期待に温度差があるとも感じられる。地方分権は民主主義と並ぶインド政治のアイデンティティであり、中央の政策を地方に浸透させることは、可能であったとしても時間がかかる。拙速な改革効果の発現を期待するべきではない。その意味で、現在判明しているモディ政権の経済改革に向けた施策は小粒なものばかり、という批判はないものねだりに近い。
◆現政権が取り組んでいる、ないしは取り組もうとしている政策課題は、総じて前政権からの継続案件が多く、目新しさには乏しい。むしろ政策遂行に関わる特徴は、“Make in India”に代表されるメッセージの明確さであろう。製造業の活性化が同国経済の高成長再開のカギであるとすれば、その実現に向けてなすべきことは製造業分野の投資環境の改善である。こうしたシンプルな筋道を示すことが、政府の求心力の向上に貢献すればしめたものである。ただし、製造業重視はサービスセクター依存の限界の裏返しでもあり、持続的高成長への道のりは平坦ではない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
インド:モディ政権の産業政策は、「質の高い雇用」を生みだせるのか?
量的改善から安定性・生産性・所得を伴う雇用への転換が問われる
2026年07月14日
-
AI・データセンターブームの恩恵を受けているのはどの国か?
インドネシアを除くASEAN5はブームの恩恵。インドはまだブームに乗り切れず
2026年06月22日
-
中東危機が露呈したASEAN5エネルギー供給構造の差
初期の耐性が高かったのは、マレーシアとタイ
2026年06月04日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

