サマリー
◆欧米の財政危機はドル安、ユーロ安をもたらし、多くの新興国通貨は上昇した。しかし、そのインフレ抑制効果に大きな期待はもてず、むしろ通貨高が金融引き締めを躊躇させ、景気減速下のインフレ高進というジレンマを温存させてしまっている。
◆焦点は財政から欧米の想定以上の景気指標の悪化に移りつつある。これもやはり、先進国の金融再緩和、引き締め先送り観測などを通じて新興国の通貨を上昇させる要因である。先進国の景気停滞という外部環境の悪化も、新興国の反インフレ政策の遂行の邪魔になろう。ただし、欧米景気の停滞が比較的早期・軽微に終わるアップサイドリスクも存在する。その点重要なのは、不安定な動きを続けながらも、今年春の水準を大きく下回っている原油価格のインパクトである。
◆焦点は財政から欧米の想定以上の景気指標の悪化に移りつつある。これもやはり、先進国の金融再緩和、引き締め先送り観測などを通じて新興国の通貨を上昇させる要因である。先進国の景気停滞という外部環境の悪化も、新興国の反インフレ政策の遂行の邪魔になろう。ただし、欧米景気の停滞が比較的早期・軽微に終わるアップサイドリスクも存在する。その点重要なのは、不安定な動きを続けながらも、今年春の水準を大きく下回っている原油価格のインパクトである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
なぜベトナムは「不平等協定」を結ぶのか
米国・ベトナムの「ディール」を解明する
2025年08月14日
-
米国抜きの連携拡大~CPTPPのEU拡大が意味すること
「反米色」を排除しながら自由貿易の枠組みを強化、アジアに恩恵も
2025年07月23日
-
インド経済は堅調か?2025年度Q2以降の見通し
個人消費とインフラ投資がけん引役。利下げが都市部の消費を刺激へ
2025年07月07日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日