中国経済見通し:内需不振で強まる減速傾向

2026年は自動車販売台数も急減速(あるいは減少)か

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2025年09月24日

サマリー

◆2026年は自動車の買い替えに対する補助金政策が継続されるか否か、現時点では分からない。NEV(新エネルギー車)の車両購入税は免税の延長がなければ、2026年に0%から5%(通常税率10%の半分)に引き上げられることになる。2026年の自動車販売台数は急減速、あるいは減少に転じる可能性が高い。

◆中国国家統計局によると、2025年1月~8月の固定資産投資は前年同期比0.5%増となり、1月~7月の同1.6%増から一段と落ち込んだ。不動産開発投資の不振が際立つが、1月~8月の不動産開発投資を除く固定資産投資は同4.2%増となり、1月~3月の同8.3%増を直近のピークに減速傾向を強めている。(1)企業のバランスシート調整の影響が不動産開発業者以外にも出始めている、あるいは(2)「トランプ関税2.0」の先行き不透明感から企業が投資を抑制している(もしくはその両方の)可能性があり、投資需要は減退している。

◆米国は、中国からのレアアースの輸入確保に腐心しており、中国にとって重要な交渉カードとなっていると思われる。ただ、中国は米国にとって最大の貿易赤字計上国であり、2025年11月10日を期限とする関税交渉は難航が予想される。米トランプ大統領は9月13日、自身のSNSで北大西洋条約機構(NATO)加盟国に、ロシア産原油を大量輸入する中国に対して50%~100%の追加関税を課すことを提案した。米国の追加関税がどう決着するのか、先行き不透明感は依然として強い。

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