中国経済見通し:リベンジ消費>不動産不況

1月~3月は4.5%成長。年間成長率予想を5.6%→5.9%に引き上げ

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2023年04月20日

サマリー

◆中国国家統計局によると、2023年1月~3月の実質GDP成長率は前年同期比4.5%(以下、変化率は前年比、前年同期比、前年同月比)となり、2022年10月~12月の2.9%から加速した。消費を中心に予想以上の回復となったことを受けて、大和総研は2023年の中国経済見通しを従来の5.6%から5.9%へ引き上げた。

◆「ウィズコロナ」政策への転換の恩恵を大きく受けたのが、消費である。小売売上は2022年の0.2%減から2023年1月~3月は5.8%増(3月は10.6%増)となった。中でも接触型消費の代表格である外食の回復は著しい。レストラン収入は2022年の6.3%減から2023年1月~3月は13.9%増(3月は26.3%増)と2桁の増加となった。

◆2022年の中国経済の大幅減速の主因のひとつとなった不動産不況は最悪期を脱したとみられるが、本格回復からは程遠い。「保交楼」(物件を契約通りの数量、品質、納期で購入者に引き渡す)の進展によって、2023年3月の住宅竣工面積は35.4%増となった。しかし、「保交楼」はあくまでも建設中の物件が対象であり、新規需要を直接刺激するわけではない。2023年3月の住宅新規着工面積は27.0%減と、デベロッパーの開発意欲の低迷が続いている。

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