「新しい資本主義」が変える企業と投資家の関係

『大和総研調査季報』2023年新春号(Vol.49)掲載

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サマリー

岸田首相の唱える「新しい資本主義」は、上場企業の情報開示制度に重点を置いたコーポレート・ガバナンス改革のメニューを提示し、実現に向けてスピード感のある検討を重ねている。サステナビリティ情報開示の充実や四半期開示の見直しは、投資家の利便性の向上や企業の開示負担緩和につながるとの期待もある。

しかし、近年のコーポレート・ガバナンス改革は、株主総会における資産運用機関からの反対票を増加させることはあったが、改革の所期の目的が達成されているか疑わしい。「新しい資本主義」が掲げる改革メニューが効果をあげるか、行方を見守る必要があろう。

資産運用機関においては、顧客のためのエンゲージメントにとどまらず、顧客による直接的エンゲージメントを可能にするプラットフォーム構築の動きがある。

これまでのコーポレート・ガバナンス改革がどのような成果を生んだか、検証が十分に行われているとは言い難い。次のステップに進む前に、実施された施策についての説得力のある費用便益分析の提示が期待される。

大和総研調査季報 2024年夏季号Vol.55

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