6月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

次回調査は金融機関の貸出態度判断DIなどに注目

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サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2017年6月調査結果が発表された。企業金融関連DIは、資金繰り判断DIが前回調査から1%pt高い17%pt、金融機関の貸出態度判断DIが前回調査と同じ24%ptであった。借入金利水準判断DI(最近)は前回調査から2%pt高い-7%ptであった。


◆企業金融関連DIは高水準が続いている。堅調な企業業績と、積極的な金融機関の貸出姿勢により、企業の資金繰り環境は引き続き良好である。


◆ただし、直近の主要銀行貸出動向アンケート調査によれば、今後3ヶ月の企業向けの貸出運営スタンスについて「積極化する」と回答した金融機関の割合が低下している。次回調査では金融機関の貸出態度判断DIが低下する可能性がある。また大手自動車部品製造・販売メーカーの民事再生手続開始を受け、一部の関連業種(輸送用機械など)において資金繰り判断DIが悪化する可能性もある。

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