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9月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

業況悪化も企業金融関連は変化なし。景気減速と中小の資金繰りに注意。

金融調査部 主任研究員 太田 珠美

サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2012年9月調査結果が発表された。企業金融関連では、資金繰り判断DI、金融機関の貸出態度判断DI、借入金利水準判断DI、いずれも前回調査から横ばいであった。

◆企業の業況判断は前回調査から悪化しており、2012年度売上高見通しも下方修正されていることはマイナス要因であるが、貸出金利の水準が依然として低いことや、金融機関の貸出態度判断DIが悪化していないことがプラス要因として働き、全体としては前回調査比で変わらずの結果になったものと考えられる。

◆今回の調査結果によれば、中堅および中小企業の電気・ガスの資金繰り判断DIに大きな改善がみられた。これは2012年7月から開始された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の影響があろう。一方、電気・ガスの大企業における資金繰り判断DIは悪化している。7-9月期に電力債の発行が相次ぎ、市場からの資金調達が再開されたものの、資金調達コストの上昇と、火力発電の燃料費増加による業績悪化が影響しているものと考えられる。

◆他機関の調査結果の中には、中小企業の資金繰りに悪化の傾向が見受けられるものも存在する。今回の調査結果には中国における反日デモの影響がほとんど織り込まれていないことから、今後の業況次第で、資金繰りが厳しい企業が増加する懸念がある。

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