財投、政策金融など「官」の資金の近況
官民ファンド、政策金融機関強化は、徐々に累積的な効果
2016年05月10日
サマリー
◆「公的金融機関」は、「財政融資資金」、「政府系金融機関」に分類される。そのうち「財政融資資金」については、公的金融機関貸出が大半を占めるという2001年度以降の傾向に大きな変化は見られない。「政府系金融機関」では、住宅貸付を除く公的金融機関貸出が増加基調であり、さらに株式等は明確に増加基調となっている。
◆2008SNAを踏まえた日銀「資金循環統計」の大幅な見直しにより、高速道路機構や地方公共団体金融機構などが含まれる「公的専属金融機関」が新規計上されることになった。「公的専属金融機関」では割賦債権が金融資産残高の過半を占める。
◆「公的非金融法人企業」では、株価水準の上昇に伴う株式等の増加により金融資産残高合計はやや増加している。2015年11月上場の日本郵政(株)は引き続き「公的非金融法人企業」に分類されている。
◆官民ファンドや政策金融機関の強化などの動きは、資金循環統計上で目立つほどの動きとはなっていないが、累積的な効果として徐々に出てきているように思われる。
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