サマリー
◆官民ファンドはそれぞれ個別の目的をもって設立されているが、大枠としてはわが国の経済成長に資することを目的としている。その観点からすれば、官民ファンドが対象としている分野において民間投資を活発化させる効果が見込まれることが設立の適否の判断基準となろう。
◆「官民ファンドの運営に係るガイドラインによる検証報告(第1回)」では、2012年12月の政権交代以前から活動している官民ファンドは実績を積み重ねてきたことが示されている。政権交代以降に設立された官民ファンドの成果を判断するにはもう少し時間が必要と考えるが、いくつかの官民ファンドは着実に投融資等決定案件を増やしている。
◆官民ファンドに期待されるのは、官民共同という性格からして、呼び水効果と結合効果が特徴的なものと言えよう。新しく設立された官民ファンドがそうした効果を発揮できているかどうかを検証し、適時、存続・拡張・廃止の判断を行っていくべきであろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
農業改革の進捗状況と農業金融
農業の企業化進展の兆し
2016年11月28日
-
財投、政策金融など「官」の資金の近況
官民ファンド、政策金融機関強化は、徐々に累積的な効果
2016年05月10日
-
インフラ輸出を支援する公的金融
「質の高いインフラ」整備を実現するための機能強化
2015年08月14日
-
財投、政策金融など「官」の資金に変化はあるか
資金循環から見た公的な法人の動向
2015年01月30日
-
財政投融資と政策金融機関
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第6回
2013年09月11日
-
官民ファンド
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第4回
2013年08月28日
-
農業政策変革の動きと農業政策金融
農業の復権に向けた金融の役割②
2014年07月23日
-
成長持続に向けた財政投融資の活用
~官民連携強化を促進する財投へ~『大和総研調査季報』 2014年夏季号(Vol.15)掲載
2014年09月01日
同じカテゴリの最新レポート
-
米国401(k)プランにおけるターゲット・デート・ファンド導入の効果
若年層の株式比率上昇に伴う資産拡大と株式直接投資への波及効果
2025年08月13日
-
ISSが取締役兼務数基準の導入を検討
取締役の兼務が多すぎる場合、選任議案に反対投票推奨へ
2025年07月31日
-
大和のクリプトナビ No.3 ビットコインのポートフォリオ組入れ効果
GPIFの基本ポートフォリオをもとにした検証
2025年06月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日