市民投資家社会の形成へ

日本の資本市場の課題と論点

RSS
  • 大和総研 顧問 岡野 進

サマリー

◆日本の資本市場の低迷ぶりは株式市場においてPBR1倍割れが長期化していることに端的に表れている。マクロ経済、企業の側にも問題があるが、資本市場の構造にも問題がありそうだ。

◆80年代以降の世界的な資本市場における資産運用の専門機関化現象は大きな壁に突き当たってきた可能性がある。90年代のバブル崩壊、最近の欧米の金融危機から、金融機関経由のリスクテークには限界があり、リスクテークできる分厚い個人投資家層の形成が不可欠であることがあらためて明らかとなってきている。

◆分厚い個人投資家のエクイティ資金供給に支えられた資本市場を築くためには、市民投資家社会形成に向けて長期的な取り組みが必要であろう。そのためのインセンティブを与える政策が必要である。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート