ソーシャル・インパクト・ボンドの国際的な潮流
民間資金によって財政負担の重い社会的課題を解決する新たな仕組みは社会に浸透するか。英国の取組みが世界を主導。
2016年10月20日
サマリー
◆地域が抱える社会的課題の解決のために民間資金を活用する投資手法として、自治体や非営利組織が実施する社会事業に民間資金を流入し、より高い成果(インパクト)をあげるための「社会的インパクト投資」が注目されている。
◆その中でも、高い成果を実現した場合には、事業費の一部の公費負担に加え、成功報酬が上乗せされるという成功報酬型の「ソーシャル・インパクト・ボンド」(以下SIB)への関心が高まっている。
◆SIB事業は、2010年度以降、英国・米国を中心として、世界的に普及が進んでいる。2016年6月には、世界でのSIB事業の実施地域数は累計で60件となった。日本においても、取組みが本格化するきっかけとなった。
◆SIB事業を通じた民間投資は、国の公的資金の利用を効率化するという財政的なメリットだけでなく、投資家にとっても、資産ポートフォリオのリスク分散を高めることができるという投資上のメリットがあると考えられている。
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