地方創生に資するヘルスケア産業の創出は実現するか?

~経済産業省の2012~15年度ヘルスケア産業創出関連の採択事業から見る民間・地方主導のソーシャル・イノベーションの重要性~

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  • 亀井 亜希子

サマリー

◆政府は、「日本再興戦略」改訂2015において、アベノミクスの第2ステージ「ローカル・アベノミクスの推進」として「医療・介護・ヘルスケア産業の活性化」を掲げた。新たな産業としてのヘルスケア産業が、民間主導で創出及び発展し、地方創生によって日本全体の経済成長の原動力となることに期待している。


◆経済産業省は、ヘルスケア産業の成長を後押しするために、2010~11年度はヘルスケア産業の創出調査事業、2012年度以降はヘルスケア産業の創出及び活性化に向けた事業の公募を実施し始め、2015年度で6年目を迎えた。


◆本稿では2012~15年度の同事業の採択事業を題材に、ヘルスケア事業のビジネスモデルを、対象顧客(利用者)、事業プレーヤー、実施エリア、事業目的、提供サービス、使用するヘルスケアデータ、事業成果、収益源、の各項目に分けて整理し、民間・地方主導でヘルスケア産業を活性化していくうえでの課題を分析した。


◆ヘルスケア産業が新たな産業として日本の地域創生・経済成長に貢献するためには、従来モデルにはみられない社会問題の解決方法の創出、つまり、医学的・科学的なエビデンスに基づく社会的コスト(医療・介護費等)の低減の立証等、ソーシャル・イノベーションの創出が不可欠と考えられる。

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