休眠預金活用法が成立

2019年秋頃から福祉・健康増進・地方活性化事業へ助成・貸付が開始

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サマリー

◆「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」が第192回臨時国会で可決され、2016 年12 月9 日に公布された。本法律により、2019年1月1日以降の休眠預金は、限定された3分野の社会的事業への活用が可能となった。実際に休眠預金による助成・活用が開始されるのは、2019 年秋頃となる見通しである。


◆休眠預金は、10年以上資金移動のない預金とされており、発生額は、2010~13年度の平均で約1,050億円、預金者の請求による払戻し対応後でも約620億円と推計されている。これまで金融機関で長期停滞していた巨額の資金が、社会的事業の財源として供給されれば、事業の取組みは大きく前進し、地域の経済・産業発展にも寄与するだろう。


◆但し、休眠預金の活用に際しては、国民的な理解が十分に得られないという課題も残っている。組織上のガバナンスとコンプライアンスの点で不十分な点があるとされるが、法的な規定はなく実務的な対応での運用していく内容となっている。2018年の本法律施行までには、様々な課題をクリアしていく必要があるだろう。

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