2016年度診療報酬改定による医療費への影響

改定の焦点は「地域包括ケアシステムの構築推進」と「医療費の抑制」。入院医療と調剤薬局に対する改革が加速化

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2016年05月25日

  • 亀井 亜希子

サマリー

◆2016年度の診療報酬(全体)改定率は、2008年度の改定以来、マイナスとなり、2020年度の財政健全化に向けて、国民医療費の伸びを抑制する方向に本格的に舵が切られたと考えられる。


◆今回の改定により、2016~17年度の国民医療費の高齢化要因による伸びを超える伸びは、前年度比で約0.43兆円削減されることとなり、国民医療費の増加は、「経済財政運営と改革の基本方針2015」で示された年0.5兆円程度の範囲内に調整されることとなった。


◆一方、診療報酬の改定は医療提供体制の改革の進捗とも関連している。2016~17年度において同改革の進捗が遅れた場合には、2018年度と2020年度の診療報酬改定において、診療報酬の点数を大幅に引き下げることで、改革を加速させることが想定される。

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