2016年02月24日
サマリー
◆アベノミクス第二ステージにおいても、経済成長のために労働生産性の向上が求められている。特に、雇用、GDPの7割を占めるサービス産業(※1)の生産性向上が欠かせない。
◆過去約40年(1973年~2011年の期間)におけるサービス産業の労働生産性の伸び率の平均は1.8%であり、製造業の4.6%と比べると低い。加えて1970年以降のサービス産業のTFP上昇率およびGDP成長率も製造業と比較して低い。
◆ただし、人工知能(AI)、ビッグデータ、ロボット等の本格的な活用により、サービス産業のプラットフォームあるいは“仕掛け”自体に付加価値が移転している可能性がある。これまでもサービス産業の生産性向上に向けた政府の支援がなされているが、このようなサービス産業の構造変化を踏まえた支援を考えていくべきではないだろうか。
(※1)本稿において、「サービス産業」とはいわゆる第三次産業を指し、「(狭義)サービス業」とは、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)を指す。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
経済成長に必要な労働力の増加とは
人口減少の中で求められる生産性向上 第1回
2015年06月17日
-
各産業の高齢者・女性・非正規雇用の現状
人口減少の中で求められる生産性向上 第2回
2015年06月22日
-
本業の製造事業からサービス事業強化の背景~3類型にみる労働生産性、就業者構造の変化~
人口減少の中で求められる生産性向上 第3回(製造業)
2015年07月23日
-
サービス業の生産性が向上しない原因を探る①~設備投資の先行きから考えるサービス業の抱える問題~
人口減少の中で求められる生産性向上 第4回(サービス業)
2015年08月20日
-
米国型とドイツ型、岐路に立つ日本~2000年以降の生産性の軌跡~
人口減少の中で求められる生産性向上 第5回(製造業・日米英独比較)
2015年09月25日
-
サービス業の生産性が向上しない要因を探る②
人口減少の中で求められる生産性向上 第6回
2015年10月29日
-
米英独の製造業強化に向けた政策の動向
人口減少の中で求められる生産性向上 第7回(製造業・日米英独比較)
2015年11月25日
-
データから紐解く建設業の直面する課題
人口減少の中で求められる生産性向上 第8回(建設業)
2015年12月30日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
主要国経済Outlook 2024年11月号(No.456)
2024年10月24日
-
最高路線価で読み解く都市の発展史
〜コロナ後の城下町2.0 まちづくり〜『大和総研調査季報』2024年秋季号(Vol.56)掲載
2024年10月24日
-
消費本格回復のカギは高所得世帯と70 ~ 80 年代生まれ
『大和総研調査季報』2024年秋季号(Vol.56)掲載
2024年10月24日
-
日本のウェルスマネジメント市場のポテンシャルを探る
~大和総研「日本経済中期予測」に基づく将来推計~『大和総研調査季報』2024年秋季号(Vol.56)掲載
2024年10月24日
-
英国労働党のハネムーンは苦い思い出に
2024年10月25日
よく読まれているリサーチレポート
-
第222回日本経済予測(改訂版)
不安定化する外部環境の下で日本経済の成長は続くか①米国景気・円高、②金利上昇リスク、③少子化対策、を検証
2024年09月09日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
FOMC 0.50%ptの利下げを決定
利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る
2024年09月19日
-
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
-
超富裕層に税率22.5%のミニマムタックスを導入
「1億円の壁」問題による金融所得一律増税は回避へ
2022年12月22日
第222回日本経済予測(改訂版)
不安定化する外部環境の下で日本経済の成長は続くか①米国景気・円高、②金利上昇リスク、③少子化対策、を検証
2024年09月09日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
FOMC 0.50%ptの利下げを決定
利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る
2024年09月19日
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
超富裕層に税率22.5%のミニマムタックスを導入
「1億円の壁」問題による金融所得一律増税は回避へ
2022年12月22日