米国型とドイツ型、岐路に立つ日本~2000年以降の生産性の軌跡~

人口減少の中で求められる生産性向上 第5回(製造業・日米英独比較)

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2015年09月25日

サマリー

◆本稿では、2000年から2013年の日米英独各国の製造業(基礎素材型、加工組立型、生活関連型の3類型)の付加価値額と労働生産性の変化について、労働生産性を構成する指標(付加価値率、資本回転率、資本装備率)を用いて要因分析した。


◆同期間において、米国の労働生産性が製造業全体、基礎素材型、加工組立型、生活関連型のいずれでも最も高い。米国の高い労働生産性を支えているのは資本装備率の高さであり、就業者数を大幅に調整しながら高い労働生産性を維持した。逆にドイツは、2007年以降に就業者数を増加しながら、労働生産性の向上を実現した。


◆日本は、2000年から2007年の期間で製造業全体の設備投資の増加率が米国を上回ったが、付加価値率や資本回転率の増加に結び付かなかった。逆に、2007年以降は設備投資の調整に終始し、特に加工組立型において労働生産性の伸びが低い。


◆米国のようにこれまで通り就業者数を削減しながら生産性の向上を目指すのか、あるいはドイツのように新しい労働力を付加価値に結び付ける方法を模索するのか、設備投資の調整が一巡しつつある今、日本はその選択の岐路に立っていると考えられる。

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