2015年12月30日
サマリー
◆我が国の建設業では就業者の高齢化率が高く、若年就業者数が減少しており、人手不足が深刻化している。このため労働生産性(建設投資/建設就業者数)の向上が必要であるとされている。
◆ただし、構造的に建設投資が減少していくことから、人手不足から余剰となる可能性があり、労働者の過不足DIでは、2016年以降は技能者と常用労働者とも余剰になる可能性が示唆される。
◆一方、景気の変動に関わらず規模の小さい建設業者の一社当たり付加価値額(生産性)は低迷している。
◆この背景には、建設投資額が減退する中で、重層下請構造の硬直化があると見られる。過度な重層下請構造が、経済的問題のみならず、社会的問題にも発展している懸念がある。
◆政府あるいは業界全体では、上記の問題に対応するためITやロボット等の活用や施工時期の平準化を促す等の取り組みを進めている。
◆ただし、中小事業者・職別工事業者独自では、設備投資や人材育成等が必要となる取り組みは容易に実行できないだろう。業界全体で重層下請構造の問題点を着実に改善することで、建設業全体の付加価値額向上や労働環境の改善につなげることが求められよう。
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