2015年02月06日
サマリー
◆女性取締役比率を指標としたポートフォリオと、なでしこ銘柄から構成したポートフォリオについてリターンの分析を行ったところ、次の結果を得た。
◆直近5年間の配当込みTOPIXの年率リターンが11.5%であったのに対し、女性取締役比率10%以上のポートフォリオの年率リターンは12.7%で、市場全体を超えた。一方、女性取締役比率0%超10%未満のポートフォリオの年率リターンは7.8%にとどまり、市場全体を大きく下回った。
◆直近5年間のなでしこ銘柄のリターンをみると、2012年度なでしこ銘柄は15.6%と高かったが、2013年度なでしこ銘柄は10.8%にとどまっている。また、各年度のなでしこ銘柄が発表されてからの事後リターンは、いずれも配当込みTOPIXと同程度であった。
◆女性取締役比率0%超10%未満の企業は、女性取締役が1人というケースが多いと考えられるが、このような企業には女性の活躍推進が進行途上にあり、企業の成長にまでつながっていない可能性や、株式市場からポジティブな評価を得るには至っていない可能性があろう。「まずは役員に一人は女性を登用する」ことが政府から経済界へ要請されたが、単なる数値目標の達成ではなく、人材育成など女性の活躍推進が実際に企業の成長に資するような環境を整備していくことが求められよう。
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