2016年06月24日
サマリー
◆「女性の活躍推進」が政府の重点施策となり、ESG投資の観点からも注目されている。女性の登用に関する企業の情報は、どのような開示制度の下、どの程度開示されているのだろうか。前回の日本の状況に関する調査に続き、本稿では(1)諸外国における女性の登用に関する開示制度について整理し、(2)その背景について考察した後、(3)グローバル時価総額500社の開示状況について調査した。
◆調査から、(1)2008年の金融危機以降、欧米諸国を中心に、上場企業の取締役会のダイバーシティに関する情報開示を求める動きが積極化したこと、(2)背景にはジェンダーの平等に向けた政策の進展と、企業経営者や機関投資家におけるダイバーシティ経営への関心の高まりがあること、(3)グローバル時価総額500社では、取締役女性比率については先進国・新興国問わず、9割超の企業が開示していることなどがわかった。
◆女性比率の上昇は、そのまま企業価値の改善につながるわけではなく、各社の置かれた政策環境や、変化の背景とともに理解する必要があるが、当該企業において企業価値創出につながる変化が生じているかどうかを読み解く材料のひとつになるかもしれない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本企業の女性登用の状況と企業パフォーマンスとの関係(前編)
~女性を積極的に登用している企業の収益性やリターンが高い~
2016年05月23日
-
ESGポートフォリオのリターン分析①
女性活躍関連のポートフォリオ
2015年02月06日
-
"女性の活躍"のカギを握る男性たち
2016年01月06日
-
日本企業における女性登用の動向と企業パフォーマンス
『大和総研調査季報』 2016年新春号(Vol.21)掲載
2016年03月01日
-
"女性の活躍" から "ダイバーシティ"へ
2016年05月24日
-
"女性の活躍"に関する開示から見えるもの①
コーポレート・ガバナンス報告書における開示状況の調査から
2016年03月08日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2024年12月消費統計
耐久財は強いが非耐久財が弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年02月07日
-
インド2025年度予算案:消費回復が民間投資を促す好循環を生むか
企業投資の誘発効果の大きい耐久財セクターへの波及がポイント
2025年02月06日
-
消費データブック(2025/2/4号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年02月04日
-
「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会 会社法の改正に関する報告書
従業員等への株式の無償交付、株式対価M&A、実質株主の把握など
2025年02月04日
-
中小企業の更なるM&A促進には環境整備が急務
2025年02月07日
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
2025年度税制改正大綱解説
大綱の公表で完結せず、法案の衆議院通過まで議論が続くか
2025年01月06日
-
2025年の中国経済見通し
注目点は①不動産不況の行方、②トランプ2.0 vs 内需拡大
2024年12月20日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
-
岐路に立つ日本の人的資本形成
残業制限、転職市場の活発化、デジタル化が迫る教育・訓練の変革
2025年01月09日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
2025年度税制改正大綱解説
大綱の公表で完結せず、法案の衆議院通過まで議論が続くか
2025年01月06日
2025年の中国経済見通し
注目点は①不動産不況の行方、②トランプ2.0 vs 内需拡大
2024年12月20日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
岐路に立つ日本の人的資本形成
残業制限、転職市場の活発化、デジタル化が迫る教育・訓練の変革
2025年01月09日