年金資産は前年比で1.9%の減少

資金循環統計(2019年3月末)から見る年金資産の動向

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サマリー

◆日本の年金資産は2019年3月末で375.5兆円(前年比▲7.2兆円)となった。2018年後半の世界的な株価下落等により、2018年10-12月期に資産残高が減少したことが大きく影響した。

◆公的年金は貸出の残高が大きく増加した。GPIFのインハウスでの短期資金の運用方法として、コール市場での運用が開始されたことが影響している。国債・財投債のフローは、2013年7-9月期以降23四半期連続でマイナスとなり、国内債券をネットで売却する動きは続いている。

◆企業年金の積立不足の規模は縮小しており、企業のバランスシートは改善しているようだ。厚生年金基金は解散等の影響から、資産残高、加入者数ともに縮小してきた。代わって、確定給付企業年金と企業型確定拠出年金の資産残高が増えてきた。今後は、iDeCo(個人型確定拠出年金)の機能の拡大も期待したい。

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