サマリー
◆「経済財政運営と改革の基本方針2026」(2026年7月21日閣議決定)(以下、骨太方針2026)では、医療・介護を中心とする社会保障制度改革を実行することにより、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目標に掲げた。一方、経済・物価動向等に適切に対応し、安心して医療・介護・福祉サービスを受けられる体制を整備する方針も示された。給付費の増加と支え手の減少が進む中、保険料率の引き下げとサービス提供体制の維持を両立させることは、容易ではない。
◆まずは、給付と負担の改革を着実に進めることが重要である。骨太方針2026では、高齢者医療や介護保険の負担の見直しについて、工程表の策定期限や結論を得る時期が示されるとともに、金融所得・資産の扱いや薬剤保険給付の見直しについても、既存の改革工程等に基づく取り組みを進めるとされた。改革工程の明確化が図られており、今後は進捗管理の徹底等が求められる。
◆また、深刻化する人手不足の下で必要なサービスを維持するには、医療・介護AX(AIトランスフォーメーション)を推進することも重要である。この医療・介護AXを進めるためには、基盤となるデータ整備に加え、既存の業務やサービス提供のあり方をデジタル前提で見直すDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速が不可欠である。
◆現役世代の保険料率の引き下げと医療・介護サービス提供体制の維持を両立するためには、給付と負担の改革による負担構造の見直しと、DX/AXによる生産性向上を一体的に進めることが重要である。
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