サマリー
◆本シリーズレポートのまとめとして、農業と金融各々の経済機能を確認した上で、金融の機能を農業に活かす方向性について検討する。
◆収益最大化を図ってさまざまなリスク・リターンプロファイルを設計するという観点で金融が農業に関わることにより、農業が望ましい生産戦略を実施してくシナリオが考えられる。そのためには、金融機関側の意識変革と共に、農業の企業化をはじめとした農業生産者側の変革も必要である。
◆農業の成長産業化を考える際、国土構造の観点も重要である。農業生産は地域に密着したものであり、成長戦略における地域活性化ないし安倍内閣が重点テーマに掲げている地方創生にも大きくかかわる。
◆農業に金融を有効活用するためには、農業生産者側の変革が必要であるが、農業経営の近代化が求められていると言い換えても良い。経営の近代化と耕作の脱近代化・超近代化、全国化と地方化、地産地消とグローバル展開といった軸が考えられ、これらを実現しようとする際、金融の機能をこれまで以上に活用する素地が広がるであろう。
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