農業金融の都道府県別貸出額

農業の復権に向けた金融の役割③

RSS

2014年09月17日

  • 中里 幸聖

サマリー

◆農業に対する融資は、JAバンクと日本政策金融公庫の農林水産事業部門が大半を占める。食糧・農業・農村基本法が目指す農業構造を確立するための長期の制度資金が「農業経営改善関係資金」であり、農業近代化資金、農業経営基盤強化資金、経営体育成強化資金、農業改良資金が該当する。


◆農業経営改善関係資金全体の貸出額(2008~12年度の平均値)を都道府県別に見ると、北海道が最も多く、次いで宮崎、佐賀、鹿児島となっている。九州、東北、北関東などで多い傾向が見られ、三大都市圏では千葉、愛知、兵庫が相対的に多い。農業経営改善関係資金の利用金額の大小は、農業産出額の大小とある程度相関している。


◆農業経営改善関係資金の種類では、農業経営基盤強化資金が最も多い県が大半であり、次いで農業近代化資金となっている。経営体育成強化資金、農業改良資金は相対的に小さい。


◆農業経営改善関係資金の貸出額からは、各県の農業の取り組み状況が垣間見える。このことは、「農業の復権に向けた金融の役割」が少なからず存在していることを示すと考える。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート