NISA抜本的拡充は資産所得倍増を実現しうる内容

年間・累計の限度額は海外制度と比較しても遜色ない水準

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2022年12月21日

  • ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 藤原 翼
  • 金融調査部 主任研究員 是枝 俊悟

サマリー

◆2022年12月16日に自由民主党・公明党は「令和5年度与党税制改正大綱」(以下、大綱)を取りまとめた。大綱では、NISAの抜本的拡充の全容が明らかとなった。

◆改正後のNISAの主なポイントとしては、①NISA制度の恒久化、②非課税保有期間の無期限化、③累計投資上限の新設、④従来の一般NISA・つみたてNISAの一体化、⑤年間投資上限・累計投資上限の枠拡大、⑥累計投資枠の復活、⑦成長投資枠(従来の一般NISA)における投資対象の制約が挙げられる。

◆恒久化と非課税保有期間の無期限化により、NISAはシンプルで理解しやすい制度となる。年間360万円、累計1,800万円の非課税額の水準は、現役世代が積立投資をするだけでなく、高齢者が退職金を活用する際に利用でき、海外の諸制度と遜色ないものになったと評価できる。NISAの改正に加え、資産所得倍増プランに掲げられた、金融経済教育の充実など、投資未経験者を投資に踏み出せるようにする施策を実施すれば、政府目標の5年間でのNISA口座とNISAの累計買付額の倍増は実現可能だろう。

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