消費税増税等の家計への影響試算(再増税先送り反映版)

2011年から2018年までの家計の実質可処分所得の推移を試算

RSS

2014年12月10日

サマリー

◆安倍首相の消費税再増税先送りの発表を受けて、2013年12月に発表した「消費増税等の家計への影響試算」を改訂した。


◆消費税率の10%への引き上げ時期が2015年10月から2017年4月に先送りされることで、2016年の家計の実質可処分所得は上方修正されるが、2015年においては大きく変わらない。当初のスケジュールでは、2014年から2015年にかけての負担増要因が①1~3月の消費税率が5%から8%に上がること、②10~12月の消費税率が8%から10%に上がること、③2014年中に一度きり支給された子育て世帯臨時特例給付金の効果が剥落することの3点であった。10%への消費税率引き上げの先送りにより解消されるのはこのうち②の分にすぎないからである。


◆2013年から2014年にかけては、臨時特例給付金が支給されることにより、消費税率引き上げに伴う中低所得層の負担増を緩和する効果があった。しかし、2014年から2015年にかけては子育て世帯臨時特例給付金の効果が剥落するため、同じ「片働き4人世帯」の中では、世帯年収が低くなるほど実質可処分所得の減少率が大きくなる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート