サマリー
◆平成25年10月1日、自由民主党および公明党は「民間投資活性化等のための税制改正大綱」(以下、大綱)を発表した。本稿では、大綱のうち、所得拡大促進税制について解説する。
◆大綱では、所得拡大促進税制の適用期限を2年延長するとしている。また、適用要件のうち基準事業年度(通常の3月決算法人は、平成24年度)比の給与総額増加率を一律5%から2~5%に緩和し、平均給与の判定を継続雇用者に限定して行うこととしている。
◆従業員数が一定の企業を想定すると、毎年2%程度の給与総額の引き上げを行っていれば、毎年度、改正後の所得拡大促進税制を適用できることとなる。
◆企業の財務諸表を分析してみると、成長企業、製造業の企業などにおいては特段のベースアップを行わなくても改正後の所得拡大促進税制を適用できる可能性が考えられる。
◆他制度も考慮した所得拡大促進税制(改正案)の副次的効果としては、企業に、研究開発者の増員や、派遣・請負等から直接雇用への切り替えを行うインセンティブも与えるものと考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
消費税増税等の家計への影響試算 (平成26年度税制改正大綱反映版)
2011年から2016年までの家計の実質可処分所得の推移を試算
2013年12月24日
-
復興特別法人税の前倒し廃止の検討
「民間投資活性化等のための税制改正大綱」の解説その4(最終回)
2013年11月25日
-
法人のベンチャー投資・事業再編の優遇税制
「民間投資活性化等のための税制改正大綱」の解説その3
2013年11月05日
-
アベノミクスの鍵を握る賃金の行方
所定内給与の増加に向けた構造改革が不可欠
2013年06月24日
-
消費税増税等の家計への影響試算
2011年から2016年までの家計の実質可処分所得の推移を試算
2013年08月01日
-
設備投資減税、大幅拡充
「民間投資活性化等のための税制改正大綱」の解説その1
2013年10月15日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
日本経済見通し:2025年1月
2025~34年度における経済財政・金利・為替レートの中期見通し
2025年01月24日
-
2025年、インドの消費回復の行方は?
都市部中間層の消費回復がカギ。2/1発表予定の予算に期待
2025年01月23日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言方針改定
2025年以降の株主総会に適用する助言方針改定はほぼ既報の通り
2025年02月04日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
日本経済見通し:2025年1月
2025~34年度における経済財政・金利・為替レートの中期見通し
2025年01月24日
2025年、インドの消費回復の行方は?
都市部中間層の消費回復がカギ。2/1発表予定の予算に期待
2025年01月23日
グラス・ルイスの議決権行使助言方針改定
2025年以降の株主総会に適用する助言方針改定はほぼ既報の通り
2025年02月04日