2023年11月24日
サマリー
◆2023年11月20日、第212回国会で「金融商品取引法等の一部を改正する法律」と「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための社債、株式等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」が可決、成立した。
◆これらの法律は、金融審議会市場制度ワーキング・グループ、ディスクロージャーワーキング・グループ、顧客本位タスクフォースの提言などを実現するものである。
◆具体的には、①幅広い金融事業者や企業年金等関係者に対する最善利益義務(顧客や年金加入者の最善の利益を勘案すべき義務)、②顧客属性に応じた説明義務の法定化、③顧客への情報提供におけるデジタル技術活用に関する規定の整備、④資産形成の支援に関する施策を総合的に推進する「基本方針」、⑤金融経済教育推進機構の創設、⑥(金融商品取引法上の)四半期報告書の廃止、⑦半期報告書・臨時報告書などの公衆縦覧期間の延長(5年に)、⑧上場等に伴う既存株主等の口座情報を求める通知に係る期間の規定の見直し(上場日程の期間短縮)など、多岐にわたる改正が盛り込まれている。
◆これらの法律の主要事項は、原則、公布日から起算して1年以内の政令指定日からの施行が予定されている(上記⑥四半期報告書の廃止は2024年4月1日施行予定など、異なる施行日のものもある)。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2024年度から四半期報告書が廃止へ
2023年03月29日
-
顧客への実質的説明義務を法定へ
顧客への情報提供のあり方は書面提供とデジタル提供の選択制に
2023年04月04日
-
金融リテラシーに係る制度の今後の見通し
「基本方針」やアドバイザー制度の具体化などが次の焦点か
2023年05月08日
-
横断的な最善利益義務の制定
令和5年金商法等改正法案
2023年06月05日
同じカテゴリの最新レポート
-
令和6年金商法等改正法 公開買付制度の改正内容の詳細
30%ルール適用除外となる僅少買付け等は0.5%未満の買付け等に
2025年07月15日
-
総会前開示の進展と今後求められる取組み
2025年3月期決算会社では約6割が総会前開示を実施
2025年07月15日
-
日本版スチュワードシップ・コード改訂
5年ぶりの改訂の目的は協働エンゲージメント推進と実質株主把握
2025年06月27日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日