ESMA、「8条ファンドの最低水準」の導入へ

【SFDR】ESMA版“Names Rule”のガイドライン案、数値基準の導入提案

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  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2022年11月18日、欧州証券市場監督局(ESMA)は、ESMA版“Names Rule”のガイドライン案を公表している。

◆ESMA版“Names Rule”のガイドライン案は、形式的には9条ファンドも対象としているが、実質的なターゲットは8条ファンドである。すなわち、9条ファンドであれば優にクリアできているであろう「最低水準」が提案されている。それがゆえに、これまでに水面下で進められていた、「8条ファンドの最低水準」の議論の具現化といえる。

◆もっとも、ファンド名に紐づけるという形での数値基準が提案されてはいるものの、そこで占められるべき投資の「質」の担保の仕方は、引き続き曖昧である。すなわち、その「質」の担保の仕方として、何らかの外形的な制約が新たに提案されているわけではない。

◆また、ファンド名は何ら‘E’(環境)又は‘S’(社会)の促進を匂わせない名称にして、それを「8条ファンド」として運用しているファンドがあった場合、それらのファンドはESMA版“Names Rule”のガイドライン案の対象外であるように思われる。

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