2026年10月21日
サマリー
◆企業が社債による資金調達を検討する場合、社債権者を保護するための措置を適切に講じることが重要である。コベナンツは、発行会社と社債権者の間で取り決められる、発行会社に一定の義務や制限を課す特約条項である。
◆コベナンツは、発行会社の一定の行為を制限する追加負担制限コベナンツ、財務指標の維持を求める財務維持コベナンツ、及び、これらの実効性を担保するために補完的に、又は単独の条項として設けられ、社債権者の投資判断に重大な影響を与える事項について報告を求めるレポーティングコベナンツの三つに分類される。
◆コベナンツの実効性を確保するには、発行会社の事業内容や財務状況等に応じて適切な内容を設定するとともに、起債後の状況変化に柔軟に対応できる仕組みを整えることが重要である。
◆足元では、コベナンツを付与し、社債管理補助者を設置した社債の発行事例も見られている。また、2026年5月29日に成立した産業競争力強化法等の一部を改正する法律(改正産競法)では、プロ向け私募における社債管理者の設置義務を免除する特例の要件の一つとして、チェンジオブコントロール条項やレポーティングコベナンツ等の一定のコベナンツを設定することが挙げられている。コベナンツの付与と社債管理補助者制度が、社債権者保護の仕組みとして共に活用されることが期待される。
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