国際会計基準の時価会計見直し案

株式等の益出しは認めず

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2009年06月25日

  • 吉井 一洋

サマリー

◆IASB(国際会計基準審議会)は、金融商品の分類・評価の見直しの公開草案を2009年7月に公表する予定である。現在までのところ、次のような暫定的な結論に達している。
・金融商品は時価(公正価値)か、償却原価のいずれかで評価する。
・融資の基本的な特徴を有し(債券を含む)、契約上のイールドベースで運用されている金融商品は償却原価で評価する。それ以外は時価(公正価値)で評価する(時価の変動は損益計上)。
・持ち合い株式や政策投資株式など、売買目的以外の株式は企業の指定により時価の変動を「その他の包括利益」に計上することができる。その場合、一旦「その他の包括利益」に計上した時価の変動は、その後の売却時も当期の損益への振替えは認められない。減損は当期の損失として計上せず、配当も「その他の包括利益」に計上する。
・償却原価で評価する分類と時価で評価する分類間の保有目的変更は認めない。
・複合金融商品の区分経理は廃止する。
・SIVやCDOの最劣後部分等は時価(公正価値)評価となる可能性がある。

◆債券については償却原価による評価する対象が広がる(ただし売却損益は独立した勘定科目で表示)。株式については、売却益と評価益の区分が実質的に無くなり、売却益の計上による当期の損益の操作はできなくなる。


本レポートは、サマリーのみの掲載とさせて頂きます。

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