ASBJ、時価の確認文書公表

変動利付債も理論値の使用が可能

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2008年10月30日

  • 吉井 一洋

サマリー

◆ASBJ(企業会計基準委員会)は、2008年10月28日に、金融資産の時価の取扱いに関する現行実務を確認する実務対応報告第25号を公表した。

◆実務対応報告第25号では、以下が明らかにされている。変動利付国債等についても、銘柄によっては、市場価格ではなく、理論値を時価として用いることもありうると考えられる。株式の時価は市場価格のみである。

(1)不利な条件で引き受けざるを得ない取引又は他から強制された取引による価格は時価ではない。

(2)売買事例が極めて少ない金融資産や、売手と買手の希望する価格差が著しく大きい金融資産の時価は、市場価格ではなく「経営陣の合理的な見積もりに基づく合理的に算定された価額」となる。

(3)合理的に算定された価額を、自社で算定できない場合は、自らの責任で業者から入手することも可能である。

◆実務対応報告第25号の適用に関して、利用者の理解に資すると考えられる場合は、その概要を追加情報として注記する。

◆実務対応報告第25号は、2008年10月28日前に終了した決算期(その中間・四半期を含む)であっても、まだ財務諸表が未公表であれば、適用される。

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