サマリー
◆2025年12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月差+5.0万人と2カ月連続で増加したものの前月からは減速し、市場予想(Bloomberg調査:同+7.0万人)を下回った。民間部門雇用者数も減速しており、中でも相対的に景気動向に敏感な民間部門(除く教育・医療)は3カ月連続でマイナスとなった。
◆他方で、2025年12月に失業率は前月差▲0.1%ptの4.4%と、市場予想(Bloomberg調査:4.5%)を下回った(改善)。11月の家計調査は政府閉鎖の影響により推計の精度に懸念があったことから、12月の失業率の結果が注目されていたが、失業率の上昇は速いペースではないことが確認された。とはいえ、広義の失業率が高水準である点は雇用環境が依然として軟調であることを示唆している。今回の雇用統計は改善と悪化が入り混じる結果となっており、総じてみれば雇用環境は緩やかな悪化傾向が継続しているといえるだろう。
◆雇用環境の先行きについては、緩やかな回復に転じると見込まれる。企業マインドの雇用関連指標は持ち直しを示している。また、2025年7月に成立したトランプ減税2.0により、2026年は例年より大規模な税還付が見込まれ、景気の押し上げ要因として期待される。さらに、2025年内にFRBが合計で0.75%ptの利下げを実施したことも景気の下支え要因となろう。他方で、足下ではAIの活用等を理由として企業がコストカットを行う動きも見られている。これまでは景気悪化による雇用抑制が懸念されていた一方で、2026年はAIの活用拡大等による構造要因が雇用の回復を抑制する可能性に注意が必要だろう。
◆最後に金融政策について、2025年12月9・10日のFOMC 後の記者会見でパウエルFRB議長は、政策金利は中立金利のレンジ内にあり、様子見するのに適した位置にあると強調した。先行きの金融政策決定については雇用とインフレのデータ次第となる。12月の雇用統計は、雇用環境は緩やかな悪化が継続している一方で、悪化のペースは速まっていないことを示唆している。こうした雇用環境を踏まえれば、FOMC参加者は1月のFOMCで様子見可能と判断し得るだろう。
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