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減速しつつも米国雇用者数は底堅く増加

2018年7月米雇用統計:失業率も低下したが、賃金上昇率は依然緩慢

2018年08月06日

経済調査部 シニアエコノミスト 橋本 政彦

サマリー

◆2018年7月の非農業部門雇用者数は前月差+15.7万人と、2018年3月以来の低い伸びに留まり、市場予想(Bloomberg調査:同+19.4万人)を下回った。しかし、完全雇用下で労働市場への新規参入を吸収するには、毎月10万人程度の伸びで十分であることに鑑みれば、雇用者数の増加ペースは十分底堅い。

◆家計調査による7月の失業率は前月差▲0.1%pt低下の3.9%となり、市場予想通りの結果であった。就業者数が同+38.9万人と大きく増加したことに加えて、非労働力人口が同+9.6万人と増加に転じたことも、失業率低下の要因となった。

◆7月の民間部門の平均時給は、前年比+2.7%と市場予想通りの結果となった。失業率が低水準にあるにもかかわらず、賃金の伸びは引き続き緩やかなものに留まっている。また、6月の時点で既に実質賃金の伸びは前年比0%まで減速しており、インフレ率との関係で見ても、賃金上昇率は物足りない状況が続いている。

◆労働市場では需給ひっ迫による人員確保の難しさが大きな問題となっており、活用できる労働力が限られる中、雇用者数の増加ペースが今後加速するとは考え難い。また一方で、企業の労働需要が先行き鈍化する可能性が高まっている点にも注意が必要である。関税、貿易戦争に対する懸念は足下で一層高まっており、先行きに対する不透明感の高まりが企業景況感の悪化、採用意欲の低下をもたらす可能性があろう。

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