サマリー
◆2018年1月30日~31日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを、従来通りの1.25-1.50%に据え置くことが決定された。今回のFOMCでは金融政策の変更はないというのが事前の市場コンセンサスとなっていたため、決定内容にサプライズはない。
◆今回公表された声明文では、経済全体の現状認識については「経済活動は底堅く拡大している」とされ、前回会合の表現が据え置かれた。しかし、個別項目への評価を見ていくと、前回声明文からの上方修正が目立つ。個人消費、設備投資に対する評価は、いずれも「堅調である(have been solid)」へ上方修正された。
◆インフレ率に関する部分では、前回声明文にあった「減速し(have declined)」という表現が削除されており、足下の下げ止まりが反映される形となった。また、インフレ率の見通しに関して、「今年は上昇し(move up this year)」という表現が追加され、インフレ目標達成への自信を深めていることがうかがえる表現になったと言える。
◆今回の声明文ではインフレ率に対して前向きな見通しが示されたことから、次回のFOMCまでに公表されるインフレ関連の経済指標が下振れしない限り、次回のFOMCで追加利上げを行う可能性が高いだろう。また、金融市場が3月のFOMCでの利上げを高い確率で見込んでいることも、次回会合での利上げを後押しする要因になると考えられる。
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