米国の失業率は2009年1月以来の7%台へ

9月の雇用統計:出来すぎの感は否定できないがまずまずの内容

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2012年10月09日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆9月の非農業雇用者数は前月差11.4万人増となり、ほぼ市場予想どおりであった。2012年4月からの雇用者数の増加ペースは平均10.6万人増であり、足下の改善ペースはこの程度。緩慢ながら雇用の改善を示す内容であった。ただし、製造業の雇用者数が減少している点には留意が必要だ。

◆失業率は7.8%と前月から0.3%pt低下し、2009年1月以来の7%台へ。失業率低下の要因も、非労働力人口と失業者数が減少する一方、就業者が増加し、前向きに評価できる内容であった。

◆失業率の急改善は出来すぎの感は否定できないが、11月に行われる大統領選に向けては現職のオバマ大統領再選に追い風となるだろう。大統領選直前の11月2日に公表予定の10月雇用統計に注目したい。また、オペレーション・ツイストが年末に期限切れを迎えるため、対応策を含めた金融政策の話題も控えている。雇用改善のペースが速まっているのかを慎重に見極める必要がある。

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