サマリー
◆日本経済は「踊り場」入り:2015年4-6月期GDP一次速報の発表を受けて、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2015年度が前年度比+1.1%(前回:同+2.0%)、2016年度が同+1.9%(同:同+1.9%)である。足下の日本経済は「踊り場」に入ったとみられるが、当社のメインシナリオでは、①アベノミクスによる好循環が継続すること、②米国向けを中心に輸出が徐々に持ち直すことなどから、「景気後退」局面入りは回避される見通しだ(→詳細は、熊谷亮丸他「第186回 日本経済予測」(2015年8月21日)参照)。
◆中国で「バブル」が崩壊すると何が起きるか?:今回のレポートでは、中国で「バブル」が崩壊した場合のマグニチュードについて、多面的に検証した。この部分は今回のレポートの目玉となる部分である。当社のメインシナリオでは、中国経済が当面危機的状況に陥る可能性は限定的だと考えている。仮に中国で銀行融資の焦げ付き額が急増した場合でも、将来的に中国経済やグローバルな金融市場が大きく動揺する可能性こそ否定し得ないものの、直ちに中国の財政危機が発生すると考えるのは早計である。ただし、本当に怖いのは、将来的に大規模な資本ストック調整が発生するリスクである。当社のシミュレーションによれば、資本ストック調整が発生した場合、中国の潜在成長率は「最善」でも4%程度まで低下し、実際の経済成長率はゼロ近傍で推移することになる。より一層深刻な「メルトダウン」シナリオでは、中国の潜在成長率は1.6%程度まで低下し、実際の経済成長率は大幅なマイナスが続くことが懸念される。なお、当社では、中国の「人民元切り下げ」は「焼け石に水」だと考えている。他方で、世界経済のドライバーは依然として米国であり、仮に中国経済が少々減速した場合でも、日本経済に与える悪影響は限定的とみられる。
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