サマリー
◆7月の完全失業率(季節調整値)は2.3%と5カ月ぶりに低下し、2019年12月(2.2%)以来、5年7カ月ぶりの低水準となった。一部で労働市場から退出する動きも見られた一方、総じて雇用環境の改善が進んだと評価できよう。
◆7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.22倍と前月から横ばいだった一方、新規求人倍率は2.17倍(前月差▲0.01pt)と2カ月ぶりに低下した。求人側の指標は、2022年後半以降、振れを伴いながらも緩やかな減少トレンドが継続している。
◆先行きの雇用環境は緩やかに改善するとみているものの、トランプ米政権による高関税政策(トランプ関税)の動向や、それによる影響がリスク要因となる。足元の動向を見る限りでは、失業率が低水準での推移を続けるなど、雇用環境に大きな変化は見られない。だが、世界経済の悪化により日本からの輸出が下押しされ、企業収益が下振れすれば、雇用調整に踏み出す企業が増加する可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年8月全国消費者物価
政策要因がコアCPIを押し下げるも、物価の上昇基調は引き続き強い
2025年09月19日
-
2025年7月機械受注
金融業・保険業、不動産業などの受注減で軟調な結果
2025年09月18日
-
2025年8月貿易統計
トランプ関税や半導体需要減の影響継続で輸出金額は4カ月連続減少
2025年09月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日