サマリー
◆2024年11月の生産指数は前月比▲2.3%と3カ月ぶりに低下したものの、コンセンサス(同▲3.5%、Bloomberg調査)や、製造工業生産予測指数の前月調査における11月の生産計画の上限(同▲3.0%)を上回った。半導体製造装置や普通乗用車といった主力品目を中心に、生産動向は想定よりも底堅い印象だ。経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、横ばい圏で推移するとみている。自動車の挽回生産の影響は徐々に剥落する見込みであり、当面はシリコンサイクル(世界半導体市場に見られる循環)の回復による半導体関連財の増産が下支え要因となろう。ただし、先端分野における輸出管理強化を背景とした減産リスクには注意が必要だ。また、米国では緩やかな景気減速が見られるほか、トランプ次期政権の政策の影響で外需が一段と縮小する可能性がある。
◆2025年1月10日に公表予定の11月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲2.5ptの106.6、一致CIが同▲1.5ptの115.3と予想する。この予測値に基づくと、11月の基調判断は機械的に「下げ止まり」に据え置かれる。
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