サマリー
◆過去10年にわたり進められた「地方創生」では、成果指標の割合が当初の9割から4割に低下し、国による検証サイクルの確立も不十分だった。東京圏一極集中の是正を目指すのであれば、地方の所得と生産性の向上を上位のKPIと位置付けて重視すべきだ。
◆東京圏と地方で生産性の格差が大きい分野は非製造業で、地域差はあるものの、資本装備率の向上やソフトウェア投資、集積の経済が重要となる。各地域内での波及効果が大きく、潜在需要も見込める産業の育成も効果的で、近畿における一般機械や、東北の情報・通信機器などが有望だろう。
◆生産性の高い東京圏への人口純流入が止まっても経済が下押しされる効果は小さい。地方創生の効果が十分に発現すれば、10年間で実質GDPを14%程度押し上げることも可能と試算される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
第223回日本経済予測
日米新政権誕生で不確実性高まる日本経済の行方①地方創生の効果と課題、②「地域」視点の少子化対策、を検証
2024年11月21日
-
日本経済見通し:2024年10月
石破政権の「地方創生2.0」「2020年代に最賃1500円」は実現するか
2024年10月23日
-
ソフトウェア投資の拡大は今後も続くのか
求められるIT人材の育成、中小企業への支援、行政のデジタル化
2024年04月25日
-
資本ストックの「量」「質」「偏在」の改善と省人化投資で供給力強化を
費用対効果の高い設備投資とそのインパクト
2023年11月28日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年10月貿易統計
トランプ関税の悪影響が継続。今後は米中リスクにも警戒が必要
2025年11月21日
-
2025年10月全国消費者物価
サービス価格や耐久消費財価格の上昇が物価上昇率を押し上げ
2025年11月21日
-
中国の渡航自粛要請は日本の実質GDPを0.1~0.4%下押し
今後は対中輸出などへの波及に要注意
2025年11月21日


