資本ストックの「量」「質」「偏在」の改善と省人化投資で供給力強化を

費用対効果の高い設備投資とそのインパクト

RSS

2023年11月28日

サマリー

◆日本の資本ストックには、①量の不足、②質の劣化、③低生産性分野への偏在という3つの課題が見られ、それぞれ1~2割程度、潜在GDP(供給力)を押し下げていると推計される。

◆課題解決にはより効率的な設備投資が行われることが重要だが、業種別・形態別に見ると、ソフトウェアなど非製造業の無形固定資本等で限界生産性が高い。設備投資のうち、無形固定資本に向かう比率が米国並みになれば、潜在GDPを2%程度押し上げる効果も期待できる。政府には対象を限定した設備投資減税などの政策が求められよう。

◆深刻化する人手不足を緩和するためには省人化投資が有効だろう。一定の前提に基づいて試算すると、年間16兆円程度の省人化投資で、10年後には労働投入量の4%程度を代替するようになり、人口動態による就業者の減少分を補うことも可能とみられる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート