サマリー
◆2023年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+4.8%と、1次速報値の同+6.0%から下方修正された。9月1日公表の4-6月期の法人企業統計調査や、その他基礎統計の6月分までの実績が反映され、設備投資が下振れしたことなどが主因である。純輸出がGDP成長率を大幅に押し上げた一方、個人消費や設備投資などの民需は振るわなかったことから、GDP成長率が示すほど内容は良くない。
◆7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率▲0.5%程度と見込んでいる。高成長となった4-6月期からの反動減という側面が大きく、内需を中心に回復基調に復するとみている。賃上げの広がりやインフレ率の低下は実質賃金を押し上げ、個人消費の回復に寄与するだろう。4-6月期に見られた自動車の挽回生産は7-9月期も継続する見込みである。一方、海外経済の悪化による輸出の下振れリスクなどには引き続き警戒が必要だ。
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