サマリー
◆2022年7-9月期の全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前年同期比+8.3%、経常利益は同+18.3%と大幅な増収増益となった。製造業では円安が輸出関連業種の売上の増加を後押しした。非製造業では新型コロナウイルス感染「第7波」の中でも経済活動の正常化が進展したことで業況が改善した。一方、原材料高は収益の重しとなった。季節調整値で見ると、売上高は前期比+0.8%と4四半期連続で増収を維持したものの、経常利益は同▲5.3%と4四半期ぶりに減益となった。また、設備投資(ソフトウェア除く)は前年同期比+8.0%となり、季節調整値では前期比+2.7%と4四半期連続で増加した。
◆10-12月期以降の企業収益は前期比で改善が続くだろう。経済活動の正常化の進展に加え、自動車生産が正常化に向かいつつあることが企業収益の追い風となるだろう。設備投資は緩やかに増加するとみている。海外経済の減速や半導体市況の悪化を受けて製造業の伸びは鈍化する一方、経済活動の正常化を背景に非製造業は堅調に増加するだろう。
◆今回の法人企業統計の結果を受けて、2022年7-9月期GDP2次速報(12月8日公表予定)では、実質GDP成長率が前期比年率▲1.1%と、1次速報(同▲1.2%)から小幅に上方修正されると予想する。
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