2022年4-6月期法人企業統計と2次QE予測

経済正常化の進展で前期比増収増益/2次QEは上方修正を予想

RSS

2022年09月01日

  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2022年4-6月期の全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前年同期比+7.2%、経常利益は同+17.6%と大幅な増収増益となった。経済活動の正常化が進展したことで、資源高の中でも幅広い業種で業況が改善した。製造業では円安が輸出関連業種の売上の増加を後押しした。季節調整値で見ると、売上高は前期比+0.4%、経常利益は同+5.5%と3四半期連続で増収増益となった。また、設備投資(ソフトウェア除く)は前年同期比+3.5%となり、季節調整値では前期比+2.1%と3四半期連続で増加した。

◆7-9月期以降の企業収益は前期比で改善が続くだろう。経済活動の正常化の進展に加え、資源価格の低下が企業収益の追い風となろう。7-9月期以降の設備投資は緩やかに増加するとみている。ただし、世界経済の先行き不透明感が強まっており、企業の収益や投資意欲に及ぼす影響には注意が必要だ。

◆今回の法人企業統計の結果を受けて、2022年4-6月期GDP2次速報(9月8日公表予定)では、実質GDP成長率が前期比年率+4.0%と、1次速報(同+2.2%)から上方修正されると予想する。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。