サマリー
◆2022年2月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.6%と、コンセンサスの同+0.5%を上回った。輸入物価の高騰の影響を受け、非耐久消費財による押し上げが続いている。足元のコアCPIの上昇は依然としてエネルギーが主因だが、食品(除く生鮮食品)等の価格上昇も進んでいる。諸外国に比べるとスピードは緩慢であるものの、徐々にコストプッシュインフレが進行しているといえよう。
◆2022年2月の全国コアCPIを財・サービス別に見ると、「電気代」や「都市ガス代」などのエネルギー関連の品目や、「食パン」などの食品の一部で伸び率の上昇が見られた。サービスでは、「宿泊料」の伸び率が上昇した一方、「通信料(携帯電話)」の前年比下落幅は前月から横ばいとなり、サービス全体としての下落幅は縮小した。
◆コアCPIの伸び率は、2022年4月に携帯電話通信料引き下げの影響が剥落することで急上昇し、その後も輸入物価の高騰を受けて緩やかに上昇するとみている。ウクライナ情勢の緊迫化等を受けて原油をはじめとする資源価格が一段と高騰したことで、輸入物価の押し上げを通じたCPIの上振れリスクは以前より高まっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
-
2025年3月鉱工業生産
自動車工業や電気・情報通信機械工業など10業種が前月から低下
2025年04月30日
-
急速に広がる資格情報等のデジタル化
利用時に気をつけるポイントと求められるデジタルリテラシー
2025年04月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日