2022年03月07日
サマリー
◆第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギー(再エネ)による発電量の割合を2030年度で36~38%まで高めるという目標が定められた。省エネ努力の継続を踏まえても、目標の達成には再エネによる発電量拡大の大幅な加速が求められる。
◆「2015年次世代エネルギーシステム分析用産業連関表」を用いて分析したところ、2030年度の再エネ構成比の目標達成で日本のGDPは2.5兆円程度拡大すると試算される。ただし、事業用火力発電の需要の減少がサプライチェーンを通じて他産業に波及する可能性に注意が必要だ
◆さらに、再エネの拡大ペースが現状並みで推移するシナリオと、再エネが最大限導入されるシナリオを作成して試算すると、再エネ導入量が高水準の方がGDPへのプラスの効果が大きいことが示唆された。ただし、火力発電量の構成比が大幅に低下した場合には、電力の安定供給に懸念が生じる。
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