2021年02月24日
サマリー
◆脱炭素化で世界を牽引するEUでは、コロナショックからの復興を目的として7,500億ユーロ規模の基金を創設した。同基金の主要プログラムにより、2021年から2023年にかけてEU全体の名目GDPの1.9%程度に相当する資金がグリーン投資に向かうとみられる。一方、気候変動対策を重要課題に位置付ける米国のバイデン大統領は2050年までの脱炭素化の実現を目標に掲げ、4年間で2兆ドルの巨額投資を行うことを選挙公約としていた。いずれの国・地域も成長戦略として脱炭素化を推進しており、雇用の創出のほか、関連産業育成の狙いがある。
◆日本でもグリーン成長戦略の推進などを通じて、脱炭素化への取り組みが進展しつつある。ただし、諸外国は脱炭素化政策を進めるにあたり部品の域内調達方針を示しており、今後保護主義的な政策リスクが高まる恐れがある。また日本では、脱炭素化後にも競争力を保てる新規産業の早期育成や、炭素国境調整制度への対応も課題となりそうだ。
◆日本の労働市場は諸外国に比べて硬直的であり、職業訓練の機会が少なく質も劣るという課題が見られる。産業構造の転換を実現する上では、これらの課題を改善して円滑な労働移動を支援していく必要がある。
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