サマリー
◆2021年4月の生産指数は前月比+2.5%と2ヶ月連続で上昇し、2019年9月以来の高水準となったものの、伸び率は市場予想(同+3.9%)を下回った。海外の設備投資需要や国内外の半導体需要の増加などを背景に、幅広い業種で生産が増加した。ただし自動車工業は半導体不足の影響を受けて軟調である。業種別では、とりわけ汎用・業務用機械工業や電気・情報通信機械工業、生産用機械工業などが大幅に上昇した。
◆先行きの生産は、緩やかに上昇するとみている。新型コロナウイルスワクチンの世界的な普及による経済活動正常化の進展が、幅広い業種の増産を後押しするだろう。集積回路などの半導体や同製造装置の増産も見込まれる。他方、当面は半導体不足による自動車の減産により、鉱工業生産指数の上昇幅は小幅に抑えられるとみられる。製造工業生産予測調査によると、5月は前月比▲1.7%(計画のバイアスを補正した試算値(最頻値)は同▲2.5%)、6月の見通しは同+5.0%と見込まれている。自動車メーカー各社は足元で減産幅を広げており、6月の実績はさらに下振れする可能性が高い。
◆6月7日公表予定の4月分の景気動向指数は先行CIが前月差+1.2ptの103.7、一致CIは同+2.6ptの95.6と予想する。この予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「改善」に据え置かれる。
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