サマリー
◆2021年2月の生産指数は前月比▲2.1%と2ヶ月ぶりに低下し、市場コンセンサス(同▲1.3%)を下回った。2月13日に発生した福島県沖地震などの影響で部品供給が停滞した自動車工業の減産が、全体を押し下げた。業種別に見ると、自動車工業や電気・情報通信機械工業、化学工業(除.無機・有機化学工業・医薬品)などが低下を主導した。
◆先行きの生産は、3月は減産となったのち、4月以降は緩やかな回復に転じよう。製造工業生産予測調査によると、2021年3月は前月比▲1.9%(計画のバイアスを補正した試算値(最頻値)は同▲1.4%)と見込まれている。業種別では生産用機械工業、汎用・業務用機械工業、電気・情報通信機械工業などで低下が見込まれている。他方、4月の見通しは同+9.3%と、全ての業種が増産見込みとなっている。新型コロナウイルスワクチンの世界的な普及により、消費需要や投資需要が活発化するとみられ、増産に結び付こう。ただし、3月19日に発生したルネサスエレクトロニクス生産子会社の工場火災により車載半導体の供給不足が自動車生産の制約になるとみられるが、同調査にはこの影響は織り込まれていないことには注意が必要だ。
◆4月7日公表予定の2月分の景気動向指数は先行CIが前月差+1.1ptの99.6、一致CIは同▲1.3ptの89.0と予想する。この予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は「上方への局面変化」に据え置かれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月機械受注
民需(船電除く)は小幅に減少したが、コンセンサスに近い結果
2025年07月14日
-
国内旅行消費、押し上げの鍵は「分散化」
国・自治体・企業の連携で旅行の時期を分散し費用減と混雑の緩和を
2025年07月11日
-
経済指標の要点(6/18~7/11発表統計分)
2025年07月11日
最新のレポート・コラム
-
「九州・沖縄」「北海道」など5地域で悪化~円高などの影響で消費の勢いが弱まる
2025年7月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年07月14日
-
2025年5月機械受注
民需(船電除く)は小幅に減少したが、コンセンサスに近い結果
2025年07月14日
-
不平等・社会関連財務情報開示タスクフォース(TISFD)の構想と日本企業への示唆
影響、依存、リスクと機会(IDROs)をいかに捉え、対処するか
2025年07月14日
-
トランプ減税2.0、“OBBBA”が成立
財政リスクの高まりによる、金融環境・景気への悪影響に要注意
2025年07月11日
-
中央値で見ても、やはり若者が貧しくなってはいない
~20代男女の実質可処分所得の推移・中央値版
2025年07月14日
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日