2020年11月鉱工業生産

自動車の減産もあって鉱工業生産指数の上昇が一服

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2020年12月28日

  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2020年11月の生産指数は前月比0.0%と横ばいとなり、伸び率は市場予想を下回った。9月、10月は同+4%程度の堅調な回復が見られたが、11月は回復が一服した。業種別に見ると、生産用機械工業や汎用・業務用機械工業など資本財関連業種が上昇に寄与した。前者は3ヶ月連続、後者は2ヶ月連続で上昇した。一方で、これまで鉱工業生産指数の回復を牽引してきた自動車工業は6ヶ月ぶりに低下した。

◆12月以降の生産は振れを伴いながら、均せば緩やかな回復基調が続くだろう。製造工業生産予測調査によると、2020年12月は前月比▲1.1%(計画のバイアスを補正した試算値(最頻値)は同▲2.3%)と見込まれている。業種別では輸送機械工業や汎用・業務用機械工業などで低下が見込まれている。一方、2021年1月は全業種が上昇見込みであり、同+7.1%となっている。業種別では生産用機械工業や汎用・業務用機械工業などの寄与度が大きい。こうした資本財関連業種が自動車工業に代わり鉱工業生産の回復を牽引するとみられる。

◆2021年1月8日公表予定の11月分の景気動向指数は先行CIが前月差+2.7ptの97.0、一致CIが同▲0.4ptの89.0と予想する。この見通しに基づくと、一致CIによる基調判断は現在の「下げ止まり」に据え置かれる。

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