2020年8月機械受注

民需は小幅に増加、外需は大型案件により大幅増

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2020年10月12日

  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2020年8月の機械受注(船電除く民需)は前月比+0.2%と、コンセンサス(同▲1.0%)を上回り、前月から小幅に増加した。製造業、非製造業ともに減少したが、製造業からの受注には船舶が含まれており、これを除いた製造業は増加したとみられる。また季節調整が個別に行われているため、業種別受注額を合計した動きは全体と一致しない。

◆製造業は前月比▲0.6%と小幅に減少した。化学工業、造船業などからの受注が減少した一方、はん用・生産用機械などからの受注は大幅に増加し、全体を下支えした。非製造業(船電除く)は同▲6.9%と2ヶ月ぶりに減少した。金融業・保険業や建設業などからの受注減少が影響した。外需は前月比+49.6%と2ヶ月連続で増加した。大型受注(100億円以上)が5件あり、受注全体を大幅に押し上げた。

◆先行きの民需(船電除く)は、しばらくは弱い動きが続くものの、生産・営業稼働率の上昇を受けて冬頃には緩やかな増加に転じると見込まれる。ただし、企業業績の悪化や先行き不透明感の増大により、企業は能力増強投資や不急の維持更新投資などを先送りするとみられる。機械投資の本格的な回復には相当な時間がかかろう。

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